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補聴器のえらび方

 はじめに、「聞こえとことばの理解とオージオグラム」で人の聞こえ方について説明します。
 次に、「補聴器が必要になる時はどんな時か」「ただしい動機とまちがった動機」「家族の協力」で補聴器使用にあたっての心構えをお話しします。
 最後に、「補聴器の騒音」「補聴器の種類」「補聴器購入までの正しい手順」「補聴器と耳の手入れ」では、少し具体的なお話をします。


「聞こえとことばの理解とオージオグラム」

 下の図は、人の聞こえを表すためにのオージオグラムと言うものです。
横は、高い音・低い音を周波数で表しています。
縦は、大きい音・小さい音を音圧で表しています。
 500・1000・2000Hzを会話音域といって、日常会話にとって最も重要な周波数です。
 難聴の程度は、この会話音域の聞こえを平均して表します。30-60dBを軽度難聴、60-90dBを中程度難聴、90dB-を高度難聴と言います。
 ここには、黄色の線と赤の線二つのオージオグラムを示しています。黄色も赤も同じ軽度難聴ですが、高い音の聞こえを見ますと赤い線は中程度から高度へと聞こえが悪くなっています。これを聴力像と言って人によって異なります。
 この二つは会話音域の平均的な聞こえは同じですが、赤い線の人は聞き間違えが多くなります。この聴力像は、高齢者によく見られる型で、「音は聞こえるが内容が上手く聞き取れない」「聞き返す事が多い」と言う人の特徴です。
 今お話ししましたように、同じ大きさの音が聞こえても、人によって聞こえ方がずいぶんと違います。聞こえとことばの理解にはこの様に差があるわけです。
 会話を楽しみ、ことばを理解するためには、充分な「聞く能力」と「聞き分ける能力」の二つが必要となります。
 聞く能力は、純音聴力検査を行って平均聴力レベルdBで表し、聞き分ける能力は、語音聴力検査を行って語音明瞭度%で表されます。
 補聴器を必要とする人は、 「聞く能力」と「聞き分ける能力」が共に低下している場合が多く、補聴器を使ってこの二つの能力を上手に引き出す必要があるわけです。

オージオグラム


「補聴器が必要になる時はどんな時か」
それでは、実際に補聴器が必要になる時はどんな時か、いろんな場面で考えてみましょう。
  1. テレビのボリュームが大きくなった
  2. 電話のベルがわかり難くなった
     家族が先に気づくことが多い
  3. 聞き間違いが多くなった
     聞き返しが多くなった
  4. 電話での会話が苦手になった
     特に、若い女性の声・早口の人
  5. 友達付き合い面倒になった
  6. 外出が少なくなった
  7. 家庭での会話が少なくなった
     高齢者の閉じ籠もりの原因にもなりますし、社会生活上の刺激も減少します。
     呆けを助長するとも言われています。
等があげられます。

「まちがった動機とただしい動機」
 補聴器が必要になる時はどんな時かについてお話をしましたが、次に、補聴器の購入にあたっての「まちがった動機」 と「ただしい動機」についてお話します。

「まちがった動機」は、
 家族・友達に勧められ・ 同年代の友達が持っているから・周囲の人の注目を引きたい等
 動機にご本人の主体性が少ない場合です。
又、
「ただしい動機」は、
 会話を楽しみたい・仕事を正確にやりたい・生活や趣味を楽しみたい等
 補聴器を使う目的がハッキリしている場合です。

 補聴器は、買った時から直ぐに上手く使えるとは限りません。調整を何度も繰り返さなければならないこともあり、補聴器を使う目的がハッキリしていないとなかなか上手くいきません。

「家族の協力」
 忘れがちなのが、補聴器を使用するにあたって家族や周囲の人たちの協力です。
 そのポイントは、
 補聴器を付けているので大声で話す必要はなくなります。
 目を見て、話すゆっくりとはっきり話す習慣を付けてください。
 一方的な話ではなく、興味がある内容の会話を楽しみながら話す必要があります。
 中程度以上の難聴の人は幸いにも、冷蔵庫の音・換気扇の音・お茶碗がぶつかる音・ドアの閉まる音等を聞くことなく、長いこと生活されています。補聴器を付けることにより、これらの生活雑音が急に聞こえるようになり耳障りになりますので、この生活雑音に配慮してあげる必要もあります。

「補聴器の騒音」
 補聴器は、ピーピーガーガー音がして使い物にならないと言う話を良く耳にします。
補聴器に関する騒音には、大きく分けて2種類の騒音があります。
 機械的な騒音には、補聴器自体の不具合に原因があるものと使用法がまずく騒音の原因になっていることがあります。補聴器自体の不具合は修理が必要です。耳栓が上手く耳に入っていない場合や音量が大きすぎる場合などが比較的騒音の原因になっていることが多いようです。
 生活の雑音は、比較的に見逃しやすいものですが、冷蔵庫の音・換気扇の音・自動車の騒音・ クーラーの音・電車の騒音 等は聞き慣れないと不快であり頭痛の原因にもなります。

「補聴器の種類」
 補聴器の種類について少しお話をします。
 補聴器は機能と形に分けて考えると簡単です。
 先ず、機能の面からは従来からあるアナログ式と最近登場したデジタル式の二つがあります。アナログ式とデジタル式は、それぞれに利点と欠点をがあります。
最近はデジタル式が、小型化が可能・音の加工がやりやすい等の理由で主流になりつつありますが、アナログ式に比べ高価である・調整が複雑である等の欠点もあります。
 補聴器の形は、箱形・耳掛け型・耳の中に挿入する型があります。補聴器のデジタル化が進み、挿入型が増えてきていますが、スイッチ等のつまみも小さく操作に苦労することがあります。
 補聴器の種類を選ぶ場合は、見た目で決めるのでなく、実際に付けてみたり・操作してみて選ぶ必要があります。

「補聴器購入までの正しい手順」

 補聴器購入までの正しい手順をまとめてみます。
第1番目は、家庭内での相談です。
 ただしい動機と家族の理解と協力が最も重要です。
第2番目は、耳鼻咽喉科専門医を受診します。
 種々の聴力検査を行い、難聴の種類・原因を診断してもらいます。手術で回復する難聴は治療します。
 治療で回復が望めない難聴の場合、ただしい動機と家族の理解と協力体制を確認した後に補聴器の適応を判定してもらいます。
認定補聴器専門店 (認定補聴器技能者)
 耳鼻咽喉科専門医の指示により、ご本人に適した補聴器の種類を選び、何度かの試聴や調整を繰り返します。
耳鼻咽喉科専門医
 補聴器の決定と調整後、耳鼻咽喉科専門医は購入された補聴器がご本人にあっているかどうか補聴器の適合判定を行います。
 その後は、補聴器使用による難聴の進行などをチェックするために1カ月・3カ月・半年・1年後に聴力検査をし、又補聴器使用上の問題点を解決しながら聴覚の管理を行っていきます。
補聴器のえらびかたのコツは、正しい手順で補聴器を購入されることと耳鼻咽喉科専門医や認定補聴器技能者に何でも相談されることが重要と思います。

  • 家庭内での相談 → ただしい動機と家族の協力
  • 耳鼻咽喉科専門医 → 適応の判定
  • 認定補聴器専門店 (認定補聴器技能者) → フィッティング
  • 耳鼻咽喉科専門医 → 適合判定・聴覚管理

「補聴器と耳の手入れ」

キーワードを列記します。

  1. やさしく取り扱う
  2. 電池はこまめに取り換える
  3. 認定補聴器専門店へ相談する
  4. 耳の異常はすぐに耳鼻咽喉科専門医へ
  5. 専門医による聴力の定期的検査が必要

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